Googleアナリティクス(GA4)は、ウェブサイトの閲覧数(ページビュー数やユーザー数)を増やすための課題発見や改善策立案に欠かせないツールです。この記事では、GA4を使ってサイトの閲覧数が伸びない原因を分析し、具体的な対策を立てる方法を初心者向けに解説します。以下のステップに沿って進めれば、データに基づいたサイト改善が可能です。
1. 現状の把握:閲覧数の基本指標を確認する
閲覧数が伸びない原因を特定するため、まずサイトの現状を把握します。GA4の主要指標を確認しましょう。
確認する指標
- ユーザー数:サイトに訪れたユニークな訪問者数。同一人物が複数デバイスでアクセスすると複数ユーザーとしてカウントされる場合があります。
- セッション数:ユーザーがサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動の回数。セッション数が多いほど、サイトへの訪問頻度が高いことを示します。
- 表示回数(ページビュー数):ページが閲覧された合計回数。どのページが人気かを把握するのに役立ちます。
- 平均エンゲージメント時間:ユーザーがサイトやページを実際に閲覧していた平均時間。興味を持たれているかを測る指標です。
- 直帰率:1ページだけ見て離脱したセッションの割合。高い場合は、ユーザーの期待に応えられていない可能性があります。
確認方法
- GA4にログインし、左メニューの「レポート」→「ユーザー」→「概要」をクリック。
- ユーザー数、セッション数、平均エンゲージメント時間などを確認。
- 「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」で、ページごとの表示回数や直帰率をチェック。
分析のポイント
- ユーザー数が少ない場合:流入経路やマーケティング施策に問題がある可能性。
- セッション数が少ない場合:リピート訪問が少ない、またはコンテンツの魅力不足。
- 直帰率が高い場合:ページのコンテンツやデザインがユーザーの期待に合っていない可能性。
2. 流入経路の分析:どこからユーザーが来ているか
閲覧数を増やすには、ユーザーがどのようにサイトにたどり着いているかを把握し、効果的な流入経路を強化する必要があります。
確認するレポート
- 集客レポート(レポート → 集客 → トラフィック獲得):
- ユーザーがどのチャネル(オーガニック検索、SNS、広告、直接流入など)から来ているかを確認。
- 例:Google検索からの流入は「google / organic」、広告は「google / cpc」と表示。
- 参照元/メディア(集客 → すべてのトラフィック → 参照元/メディア):
- 具体的な流入元(例:Google、Yahoo、Twitterなど)やメディア(自然検索、リンクなど)を分析。
分析のポイント
- **オーガニック検索(SEO)**が少ない場合:
- Google Search Consoleと連携し、検索キーワードや表示回数を確認。表示回数が少ないならSEO対策(キーワード選定やコンテンツ強化)が必要。
- 例:需要のあるキーワードで上位表示されていない場合、コンテンツの質や量を見直す。
- SNS流入が少ない場合:
- SNS投稿の頻度や内容を見直し、シェアされやすいコンテンツ(画像、動画、キャッチーなテキスト)を作成。
- 直接流入が少ない場合:
- ブックマークやURL直接入力を促す施策(例:メルマガ、QRコード、キャンペーン)を実施。
- 広告流入が少ない場合:
- 広告のクリエイティブやターゲティングを見直し、クリック率(CTR)を改善。
対策例
- SEO強化:Google Search Consoleで低クリック率のキーワードを特定し、タイトルやメタディスクリプションを改善。
- SNS戦略:エンゲージメントの高い投稿(例:質問形式やトレンド関連)を増やし、フォロワーとの対話を促進。
- 広告最適化:Google広告の管理画面で低パフォーマンスのキャンペーンを停止し、高CTRのキーワードに予算を集中。
3. コンテンツの評価:どのページが閲覧されているか
閲覧数を増やすには、ユーザーが求めるコンテンツを提供することが重要です。人気ページや問題のあるページを特定しましょう。
確認するレポート
- ページとスクリーン(レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン):
- ページごとの表示回数、平均エンゲージメント時間、直帰率を確認。
- 人気ページは強化し、低パフォーマンスページは改善。
- イベント(レポート → エンゲージメント → イベント):
- ユーザーの具体的な行動(例:リンククリック、フォーム送信、スクロール)を確認し、コンテンツの魅力を評価。
分析のポイント
- 高表示回数・低エンゲージメント時間:
- ユーザーが訪問するがすぐに離脱している可能性。ページの読み込み速度やコンテンツの質(わかりやすさ、視覚的魅力)をチェック。
- 高直帰率:
- ユーザーの期待とコンテンツが一致していない可能性。タイトルと内容の整合性、ナビゲーションの使いやすさを確認。
- 低表示回数:
- ページが発見されていない可能性。内部リンクの強化やSEO対策を実施。
対策例
- コンテンツ改善:直帰率の高いページにFAQや関連記事リンクを追加し、ユーザーの関心を維持。
- ページ速度の最適化:Google PageSpeed Insightsでページ速度を分析し、画像圧縮やキャッシュ設定を改善。
- 内部リンク強化:人気ページから低表示回数のページへリンクを設置し、サイト内回遊を促進。
4. ユーザー行動の分析:離脱の原因を特定する
ユーザーがサイトを離脱する原因を特定し、閲覧数を増やすための改善を行います。
確認するレポート
- 経路データ探索(探索 → 経路データ探索):
- ユーザーがどのページからどのページに移動したか、またはどこで離脱したかを可視化。
- 離脱が多いページを特定し、改善点を洗い出す。
- 行動レポート(行動 → サイトコンテンツ → すべてのページ):
- ページごとの離脱率を確認。離脱率が高いページはユーザビリティやコンテンツに問題がある可能性。
分析のポイント
- 離脱率が高いページ:
- コンテンツが薄い、CTA(行動喚起)が不明確、デザインが古いなどの問題を疑う。
- ナビゲーションの問題:
- ユーザーが次のページに移動しにくい場合、メニューやリンク配置を見直す。
- デバイス別の分析:
- 「ユーザー」→「テクノロジー」→「デバイスカテゴリ」で、モバイルとデスクトップの行動を比較。モバイルの離脱率が高い場合、レスポンシブデザインを改善。
対策例
- CTAの明確化:離脱率の高いページに「今すぐ購入」「詳細を見る」などのボタンを追加。
- ユーザビリティ改善:ナビゲーションメニューをシンプルにし、重要なページへのアクセスを容易に。
- モバイル最適化:モバイル表示の崩れやタップしにくいボタンを修正。
5. キーイベント(旧コンバージョン)の分析:目標達成を増やす
閲覧数だけでなく、ビジネス目標(例:購入、問い合わせ)の達成を増やすことで、リピート訪問や口コミによる閲覧数増加が期待できます。
確認するレポート
- キーイベント(レポート → エンゲージメント → イベント):
- 購入やフォーム送信などのキーイベントの発生数を確認。
- キーイベントに至るまでのユーザー行動を分析し、ボトルネックを特定。
分析のポイント
- キーイベント数が少ない:
- フォーム入力が複雑、購入ボタンが目立たない、信頼性が低いなどの問題を疑う。
- キーイベントに至る前の離脱:
- 経路データ探索で、キーイベント前のページでの離脱をチェック。
対策例
- フォームの簡略化:入力項目を減らし、ユーザーの負担を軽減。
- 信頼性向上:お客様の声や保証情報を目立つ場所に掲載。
- CTAの最適化:キーイベントにつながるボタンの色や文言をテスト(例:A/Bテスト)。
6. 競合分析と外部ツールの活用
自社サイトだけでなく、競合サイトの動向を把握することで、閲覧数増加のヒントを得られます。
方法
- Google Search Console:
- 競合と同じキーワードで上位表示を目指す。表示回数が多くクリック率が低いキーワードを改善。
- 外部ツール:
- SimilarWeb:競合サイトの訪問数や流入チャネルを推定。
- Ahrefs:競合の被リンクや上位コンテンツを分析し、参考に。
- SNS分析:
- 競合のSNS投稿やエンゲージメントを参考に、魅力的なコンテンツを作成。
対策例
- キーワード戦略:競合が上位表示しているキーワードで高品質な記事を作成。
- 被リンク獲得:ゲスト投稿や業界メディアへの寄稿で外部リンクを増やす。
- トレンド活用:競合の人気SNS投稿を参考に、トレンドを取り入れたコンテンツを投稿。
7. 継続的な改善:PDCAサイクルを回す
閲覧数を増やすには、分析と改善を繰り返すPDCAサイクルが不可欠です。
手順
- Plan(計画):分析結果に基づき、具体的な改善施策を計画(例:SEO強化、SNS投稿頻度増加)。
- Do(実行):計画した施策を実施。
- Check(評価):GA4で施策後のデータ(ユーザー数、表示回数など)を確認し、効果を評価。
- Act(改善):効果が低い施策を見直し、新たな施策を計画。
ポイント
- 短期間の変動に一喜一憂しない:Googleのアルゴリズム変動や季節要因でアクセスが上下することがある。一定期間(例:1~3ヶ月)のデータで判断。
- 小さな改善を積み重ねる:一度に多くの変更をすると、どの施策が効果的だったか判断しにくい。1つずつテストする。
具体例:ECサイトの閲覧数増加施策
状況:ECサイトのユーザー数が月間1,000人で、目標は3,000人。 分析結果:
- 集客レポート:オーガニック検索が50%、SNSが20%、直接流入が20%。
- ページとスクリーン:トップページの直帰率が70%、商品ページのエンゲージメント時間が短い。
- 経路データ探索:カートページで離脱が多い。
対策:
- SEO:Google Search Consoleで「商品名+レビュー」のキーワードを強化し、ブログ記事を追加。
- SNS:Instagramで商品使用動画を投稿し、フォロワーとの対話を増やす。
- コンテンツ:トップページに人気商品のスライダーを追加し、直帰率を下げる。
- ユーザビリティ:カートページの入力フォームを簡略化し、信頼性を高めるために「30日返品保証」を強調。
- PDCA:1ヶ月後にユーザー数と直帰率を再確認し、効果を評価。
注意点
- 正確なデータ収集:GA4のトラッキングコードが正しく設置されているか、Google Tag Managerで確認。タグの設定ミスでデータが欠落する場合がある。
- 内部アクセスの除外:社員や自分のアクセスがデータに含まれると分析が歪む。Google AnalyticsオプトアウトアドオンやIPフィルタを設定。
- プライバシー対応:GDPRやCCPAに基づき、ユーザー同意を得るための設定(例:Cookie同意バナー)を確認。
まとめ
Googleアナリティクス(GA4)を活用すれば、閲覧数が伸びない原因をデータに基づいて特定し、効果的な対策を立案できます。以下のステップを繰り返すことで、サイトの閲覧数を着実に増やせます:
- 基本指標で現状を把握。
- 流入経路を分析し、集客を強化。
- コンテンツとユーザビリティを改善。
- キーイベントを最適化。
- 競合分析で新たなアイデアを得る。
- PDCAで継続改善。
参照情報:
- Googleアナリティクスの使い方や指標の詳細は、公式ヘルプ(https://support.google.com/analytics)や関連記事を参照。
- 競合分析ツールの詳細は、SimilarWeb(https://www.similarweb.com)やAhrefs(https://ahrefs.com)を確認。
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